2021.01.01 プレスリリース

JF全漁連会長 「新年のご挨拶」

「新年のご挨拶」

 あけましておめでとうございます。年頭にあたり、全国の皆さまに謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 振り返りますと、昨年は、これまでのJFグループ系統運動の中でも経験したことのない厳しい1年でした。従来と異なる回遊行動や資源の減少等による記録的不漁、新型コロナウイルスの感染拡大等を受けて、浜では産出額が落ち込み、生産の基盤となるJFの経営においても売上高、営業利益が減少し、影響等の長期化が懸念されております。
 そのため、JFグループでは、漁業者が安心して生産活動を営み、産地市場をはじめJFの経営を安定・継続していくことを基盤として、水産政策の改革を自らの課題として実践していくために、追加経済対策の確立を関係要路に強く要請し、その結果、要望事項を網羅する3,065億円と3年連続で3,000億円を超える予算を勝ち取ることができました。ここに改めまして、会員並びに関係の皆様のご協力・ご支援に対しまして御礼申しあげます。
 本年は、昨年12月の改正漁業法の施行を受け、わが国漁業の成長産業化に向けた本格的な改革がいよいよ始まります。改革を成功させるためには改革の実践者である浜の漁業者が理解し、納得することが重要ですので、海面利用制度や新たな資源管理などの具体的実践にあたっては、漁業者・JFグループが国や都道府県とこれまで以上に十分な協議を行ったうえで、一体となって取り組み、水産政策の改革が実効性あるものとなるよう努めて参ります。
 本年度から取り組んでいるJFグループの運動方針にかかるアクションプランにおいても、資源管理を前提とした循環型漁業の構築を目指し、漁業者の取り組みをJFが支えるべく、担い手育成、合併等組織再編、産地市場統合、販売事業改革などに取り組み、浜プランの後押しや浜の構造改革を実現して参ります。また、昨年開設した産直通販サイト「JFおさかなマルシェ ギョギョいち」を活用していただくことで、コロナ禍で消費が落ち込んだ国産魚介類の消費拡大の一翼を担って参ります。
 依然として、外国船による違法操業問題、震災復興などの課題が山積しておりますが、漁業者が長きにわたり希望を持って漁業を営めるよう今後も鋭意活動していく所存です。
 会員をはじめ、関係者の皆様におかれましては、これまで以上に英知と総力を結集していただき、漁業の成長産業化に向けた浜の構造改革への引き続きのご理解・ご協力を頂きたくお願い申しあげます。
 最後になりますが、漁業の豊かな将来を念じつつ、全国各地でご活躍の皆様の操業の安全とご繁栄・ご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

                          2021年1月
                          全国漁業協同組合連合会
                          代表理事会長  岸 宏